名西高校の人権問題研究部との交流会(第一回)
名西高校の人権問題研究部との交流会(第一回)
8月8日(木)の9:15から11:30まで本校の高等部において名西高校の人権問題研究部と交流会を
しました。 はるばる名西高校から参加してくださったのは,生徒2人と引率の教員1人でした。本校は
高等部の生徒3人と7人の教員が参加しました。
本来は障害がある人もない人も共に学び,共に生活するべきなのに,現実は別々に学び,別々に
生活しています。 そのことからくる制約が大きいので,このような交流を通してその制約を少しでも
軽減する必要があります。 そして,私たちは,障害がある人がこの社会において当たり前に生きて
いく際に障害となるものは,本人の側にではなく,社会の側にある,ということを共通認識する必要が
あります。
名西高校のみなさんは少し早めに到着されたので,本校の児童・生徒会長が,小学部や中学部を
案内しました。
本校の生徒3人が全員揃うと,生徒も教員もそれぞれオコジョ,優しいトラ,キリン,ネコ,ナマケモ
ノ,トド,ピラニアなど風貌やキャラ,生き方が自分に似ている動物に喩えて自己紹介をしました。
「なるほど…,よく似ている」と妙に感心させられながらアイスブレーキングが行われました。
その後,本校の先輩(昨年度卒業した関藤寛人さん)の人権作文をもとにして,お互いの思いや考
えを交換しました。 以下にその一部を紹介します。
「悩みがたくさんあっても,なかなか先生に相談できない。我慢することになれてしまっている」
「悩みがあることは,それを言ってくれてはじめて気づくもの。友だちなら言って欲しい」
「私たちは安心感が無ければ自らの深い思いを表現することができない。 安心・安全の保障が無い
のに,『何でも話してね』と言われても,それは無理がある」
「『あなたは(私たちが乗ることを禁じられている)エレベーターに乗れていいよねえ』というようなことを
友だちから何度か言われることがあって傷ついた。 それに対して自分の思いを表現すると話が重く
なってしまうし,友だち関係がうまくいかなくなるから受け流した」
「同じ立場の者同士はお互いに理解しやすくて,その関係の中にいることは居心地がよい一面がある。
しかし,そこから一歩外へ出ると自分たちのしんどさを理解してもらえないしんどさがある」
「心無い反応によって傷つき体験を重ねると,『どうせ,あんたらには理解してもらえやしない。言った
って無駄よ』というスタンスになってしまう」
「しかし,『そいつを言っちゃお仕舞いよ!』で,それでも表現し続けていくことによってお互いに理解が
深まっていき,差別解消につながっていくことを私たちの先人は教えてくれている」
「相手の立場に立って相手のしんどさを理解できるようになりたい」
初対面でしたが,本校の生徒たちは自分の気持や体験をあまり臆せずに表現することができました。
名西高校の生徒は,本校の生徒が自らの体験を話すのを傾聴してから自分の考えを真摯に表現す
ることができました。 両校の生徒は,自分たちの気持や考えを互いにわかり合うことができたという
貴重な体験をしました。 これは「社交性感覚」を養う体験であり,「自己肯定感」の向上につながるも
のです。生徒たちの真摯な思いの交換に触発された一人の教員は,自らの障害や体験を自己開示し
てくれました。
両校の生徒は,2時間という時間があまりに速く過ぎたことを残念に思いながらも,次回は名西高校
で会うことを期して別れました。
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