校長室

感謝!

 <最後の職員会議でのごあいさつ>

 最初に、先生方にお礼申し上げます。

 この一年間、大変お世話になり、ありがとうございました。
 
 3月8日には、6名の卒業生を無事に送り出すことができました。
 当日欠席した小学部のSさんも、17日にお母様が来校して、代わりに卒業証書を受け取ってくださいました。
 そして、先ほどは、11名の在校生の進級・修了についてのご審議ありがとうございました。今年度は、全校児童生徒数18名と、県立学校としては一番小さな学校だと思いますが、その分、一人一人の子どもに寄り添い、根気よく丁寧に向き合ってくださったおかげで、子どものペースに合わせた教育ができたと感謝しています。

 そして、今回が最後の職員会議ということなので、ここで退職のごあいさつをさせていただきたいと思います。
 コロナが始まった令和2年4月に本校に赴任して、以来3年間、校長として勤務いたしました。それ以前にも、教諭として8年間、教頭として2年間勤務したので、計13年間も本校でお世話になりました。
 当初、学校は始業式の次の日から再度の臨時休業となり、約2か月間子どもたちのいない学校となり、これまでのような学校経営はできないと思いました。

 でも、大学時代の交通事故やけが、そして50歳を過ぎてからの病気の連続により、想定外のことには慣らされてきたこともあって、次第にチャレンジャー精神が身についてきました。よく言えば、柔軟性や臨機応変といったことが身についたのでしょうか。
 
 それで、「鴨島支援学校魅力化プロジェクト」ということを始めたわけです。

どんな境遇であっても、何かできることがあるし、今できることから取り組んでいきたいとの想いでした。
 1年目は、先生方への宿題として全員に企画書を提出していただき、投票の結果、HPの活性化と学校テーマソングの作成に決まりました。応援歌でもある「未来に向かって」は、なかなか披露する機会が持てませんでしたが、とてもいい歌なので、ぜひ機会あるごとに歌ってください。
 2年目は、太鼓をツールとした地域交流でしたが、昨年はコロナ禍で断念。今年やっと、飯尾敷地小学校とリモートで合奏できました。もし継続していただけるのでしたら、今度は対面での合奏にチャレンジしてください。
 
 そして3年目の今年は、「学校の壁面をペインティングしよう」でした。美術の先生方の強力なご協力により、冬休み明けには完成し、それに私も参加させてもらって桜を付け足し、先日ニスを塗って仕上げてくださいました。
 道行く人も「可愛いね」と声をかけてくれて、毎朝出勤する時に癒やされています。

 また、私はいつも言っているように、花が大好きです。そして、挿し木で増やしたミニバラや紫陽花の花の苗を、学校のあちらこちらに密かに植えています。気がつかないような小さな苗もありますが、数年後には立派な花を咲かせてくれるかなーと期待しています。

 このように、私は意図的にタネや苗を学校に植えてきました。ほったらかしでも強く育つ苗もあるでしょう。でも、植物が育つには、基本的には水や太陽の光や養分が必要です。水は足りなくても多すぎても枯れることがあります。

 大きく丈夫に育てるには、その植物に適した水や光や養分が必要です。それは、人間も同じだと思うのです。
 私がまいたタネや苗は、皆さんに託します。どうか大切に育てていただき、立派な花を咲かせてもらえたら嬉しいです。

 わずかながらですが、コロナの収束が見えてきました。どんなに絶望の状態でも、必ず希望は生まれます。
 我々教員は、子どもたちの希望や夢を見つけるお手伝いをすることが仕事なのかなと、退職を前にして感じています。

 過去には感謝を、未来には希望を。

 私も、次のステージに移ります。
 先生方、本当にお世話になり、ありがとうございました。