校長室

卒業式

 

 3月8日(水)午前10時から、第49回卒業証書授与式が挙行されました。

 春の到来を感じさせる暖かい日差しに恵まれ、通学生3名、病棟訪問生2名

(ご家族が代理出席)、自宅訪問生1名の6名が、卒業証書を受け取りました。

その後、在校生を代表して生徒会長から送辞、卒業生の代表から答辞があり、

それぞれ自分の役割を立派に果たしました。特に、答辞を読んだSさんは、

本校の中学部と高等部で6年間学びました。入学当初は不安感が強く、移動する

ときには誰かの腕をつかんで放さなかった彼が、高等部に進学してからは一人で

行動できることが増え、生徒会長としての2年間の経験がさらに自信となり、

様々なことにチャレンジして素晴らしい成果を残しました。

 「旅立ちの日に」の曲をBGMにした感動的な答辞は、会場を感動の渦に巻き込み

ました。そして全員で校歌斉唱の後、卒業生たちは胸を張って退場し、笑顔で

学び舎を後にしました。皆さんの未来に幸あれ!

 

                        式    辞


 今年の冬は、珍しく何度か大雪が降りました。しかし、厳しい寒さの中にも、生命の息吹は、一歩一歩 着実に春に向かってやってきています。暖かな春風に誘われて、小さな蕾もあちらこちらでほころび始めています。
 
 今日のこの佳き日に、徳島病院 橋口院長様、宮崎診療部長様 並びに 坂口PTA会長様、さらには 本校 学校運営協議会委員の皆様方のご臨席を賜り、また、保護者やご家族の皆様方のご出席をいただき、徳島県立鴨島支援学校第四十九回 卒業証書授与式を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。
 
 小学部 3名、 中学部 2名、 高等部  2名 (呼名)

ご卒業おめでとうございます。
 

 先ほど、授与いたしました卒業証書は、皆さんがこれまで日々努力してきた結果であり、成長の証でもあります。皆さんは、それぞれの学部でたくさんのことを学び、入学した頃とは比べものにならないほど、心も体も成長しています。
 中学部と高等部の4人の卒業生の皆さんは、3年前、本校入学と同時に、新型コロナウイルス感染症のために、2か月の臨時休校となりました。学校再開後も、様々な行事が中止や延期となったり、変更したりしました。学校外での活動にも制限がかかり、交流校のお友だちとも直接会うことができなくなりました。
 その替わりに、タブレットなどのICT機器を使って、画面を通して相手の顔を見たり、会話をしたりする機会が随分と増えてきました。
 飯尾敷地小学校のお友だちとは、リモートで太鼓の合奏をすることもできました。
 また、本校はパラスポーツ競技の「ボッチャ推進校」として、今年度は県が主催する大会に何度か参加し、他校と実際に試合をすることで、スポーツの楽しさをより実感することができました。ターゲットボッチャの部では、学校や自宅にいながら、県内外の学校や外国の選手と対戦することができ、優勝や入賞するなど、素晴らしい成績を残すことができました。
 新聞に何度も取り上げられ、短期間のうちに、本校はボッチャに強い学校として 知られるようになりました。
 病棟生のNさんやOさんとは、今年も直接会うことはできませんでしたが、毎週リモートで病室と繋いでいただき、画面越しに元気そうな姿を見ることができて、安心するとともに、とても嬉しかったです。 
 訪問生のKさんは、運動会には学校に来て直接競技に参加できましたね。皆さんが、前向きに生き生きと取り組む姿は、私たち教職員にとりましても、喜びであり 誇りであり、エネルギーの源でした。

 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。今日までの日々を思い返されて、万感胸にせまるものがあることと存じます。
 入学以来、本校教育に対しまして、深いご理解と温かいご協力を賜り、本当にありがとうございました。今後とも、変わらぬご支援をお願い申し上げます。
 
 最後になりましたが、卒業生の皆さんは、 各学部の最高学年として、児童生徒会の仕事や学部行事等でリーダーシップを発揮してくれました。その成長した姿や笑顔は、在校生や私たち教職員の心の中に、今も輝いています。
 次の学部に進学する人、社会に出て行く人、それぞれにまた新しい出会いが待っています。期待とともに不安な気持ちもあると思いますが、皆さんは、これまでも「コロナウイルス」という目に見えない敵にも負けることなく、学校生活を楽しんできました。自分の「役割」は何か、ということを考えながら、これからも「強く明るく豊かに」の校訓どおり、思いっきり泣き笑い、豊かな人生を送って欲しいと願っています。
 
 皆さんのこれから進む未来が、健やかで幸多きことを心からお祈りして、式辞といたします。

  令和五年三月八日

                   徳島県立鴨島支援学校長  森本 真由美