校長室
2年ぶりの運動会
6月19日(土)、2年ぶりの運動会を開催いたしました。
4月に「徳島アラート」が発令された後も、県内で急激にコロナ感染者が増え続けたため、5月の連休には高校の部活動が全て禁止され、一時は県の高校総体の実施も危ぶまれました。連休後は、少しずつ落ち着きをみせたため、当初予定していた運動会を、参加者を児童生徒と教職員、それに保護者(家族)のみに限定するとともに、午前中開催と短縮して実施しました。
競技種目は、小学部、中・高等部それぞれ1種目とし、保護者種目と児童生徒・保護者による〇✕クイズの4種目でしたが、予定どおり11時45分に終わり下校。短時間でしたが、とても充実した内容でした。
今年の児童生徒会のテーマは、「全てのことにChallenge」です。文化祭も同じテーマとなります。
学部種目は、一人一人が普段の授業で取り組んでいる内容や、ちょっと難しいかなと思う課題を工夫して取り入れていて感心しました。
小学部は「レッツ 玉入れ ぽん ポン PON」のタイトルで、一人一人玉入れの方法が違いました。スイッチを押して離す動きによってピン球が裏返した傘に飛び込む方法、ストラックアウトを取り入れて、その裏にある箱に投げ入れる方法。また、訪問学級の子どもたちも、自宅からVTRやリモートで参加してくれました。家族のご協力により、親子で参加してくださったご家族もありました。玉入れも工夫次第で、いろいろな方法があることが分かり、大変勉強になりました。残念ながら、病棟性の5名は参加することができませんでしたが、来年は一緒に参加できることを祈っています。
中・高等部のタイトルは「みんなちがって みんないい」でした。このタイトルは、中学部1年生のS君が大好きな金子みすずさんの詩から発案したと聞きました。素敵なネーミングのとおり、今度は同じ内容の競技でしたが、一人一人に合わせた目標や使う道具に工夫があって、子どもたちの良さがよく引き出されているなあと思いました。どれも担任の先生からアシストを受けての競技であり、日頃からお互いのことをどれだけ理解できているかが勝敗を左右したのではないかなと思いました。
保護者種目は「捜し物は何ですか」でした。2チームに分かれ、封筒の中に書かれた「捜し物」と同じワードが書かれたカードを、神経衰弱の要領で床の上に散らばったカードの中から探し当てるという競技でした。懐かしい曲を背景に、家族の皆様全員が参加してくださり、一発で当てたママもいれば、効率を考えてバックランでめくりながら当てたパパもいて、大盛り上がりでした。明日の体調が少し心配でした。。。(それは私)
最後に、子どもたちとご家族による〇✕クイズでした。本校の公式キャラクターの「かも先生」も元気に登場して応援してくれました。徳島県や鴨島支援学校にちなんだ問題でしたが、みなさんよく知っていて、なかなか勝敗がつかず、用意していた問題すべて出し尽くし、最後はジャンケンで順位をつけました。賞品は、児童生徒会手作りの夏用グッズの詰め合わせでした。(欲しかったなあ・・・。)
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいましたが、ご家族の皆様に、子どもたちが普段学校で学習している内容について、一部ではありますが見ていただけたことが嬉しかったです。たくさんの応援や拍手をありがとうございました。
今後も、感染状況をみながら、少しずつではありますが、他の学校行事も進めて行こうと思いますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
地域の清掃活動に職員参加
5月26日(水)、午前9時からお昼頃まで学校周辺の清掃活動に、地域の学校として参加しました。
昨年度の1月26日にも、隣接する徳島病院の正門周辺から学校へと続く道路の草刈りに、地域の方から協力依頼がありました。平日だったため、授業のない校長と技師さん、チャレンジ補助員さん2名の計4名が参加しました。
今年度も平日のため、同様に教頭先生と事務長さん、技師さん、チャレンジ補助員さんの計4名が参加することにしました。
校長の私も、ごあいさつだけでもと歩いて道を下って行ったところ、行けども行けども皆さんの姿が見当たらず。。。昨年度に作業した場所よりずっと下の、ガードレールの下の方にやっと人影が見えてきました。が、そこは、道路から投げ捨てたゴミの山でした。坂道なので、通勤の時には気づかなかったのですが、ガードレールを乗り越えて一歩足を踏み入れると、辺り一面ゴミが散在していました。
拾っても拾っても長年に渡り積み重なった空き缶やゴミ袋や電化製品等々が出てくる出てくる。本校の職員は、お揃いの黄緑蛍光色のスタッフジャンバーを着ていたため、足場の悪い場所で作業している様子が上からでもよく見えました。
私も30分ほど参加しましたが、用事があったため先に帰ってきました。が、作業はなかなか終わらない様子で、結局正午頃、5月とはいえ熱中症が心配されるような蒸し暑い中、皆さん歩いて帰ってきました(>_<)
お手伝いいただいた教職員の皆さん、本当にお疲れ様でした。地域の方々もご苦労様でした。
本来ならば、行政が行うような作業でしたが、地域の方々の「自分たちの手で地域を良くしよう」という熱い思いが伝わってきて、私たちがこの場所で勤務しているのも何かの縁と考えて協力させていただきました。
綺麗になった場所を見て、大型ゴミの捨て場としたり、通りがかりの車からポイ捨てをしたりする人がいなくなるよう、切にお祈りしました。
授業参観中止
昨年度は、コロナ禍のため、年度当初より学校が臨時休校になり、学校が再開された後も教育活動に様々な制限がかかり、多くの学校行事が中止や規模を縮小しての開催となりました。
そのような状況でも、子どもたちは感染症対策をしつつ、日々の授業や自分の目標に向かって頑張ってくれました。遠隔授業や遠隔交流といった、新しいことにもチャレンジして、一人一人が「できる」ことを増やしてきました。
今年度こそは、昨年度できなかったことができる、と期待していましたが、昨年度末から全国的に感染者が急増しており、徳島県でも4月に入ってからの感染者数が連日数十名となり、先日とうとう100名を超えてしまいました。今までにない感染力で、学齢期の子どもの感染者も急激に増えています。
そして、20日には「とくしまアラート」が引き上げられて、以前よりさらに感染拡大防止について強化する必要がでてきました。本校は、児童生徒数も少なく、三密になる状況もほとんどないのですが、万一のことを考えて、急ですが4月25日に予定していた授業参観を中止、PTA総会を書面開催とさせていただきました。
授業参観を楽しみにされていた保護者の皆様には、大変申し訳ございませんが、ご理解のほどお願い申し上げます。また、PTA総会に関しましては、25日にPTA役員会を短時間で開催いたしましたので、役員会でご承認いただいた議事について、後日書面にてご審議いただきますようお願いいたします。
令和3年度 着任式・始業式
4月8日(木)、午前9時30分から着任式があり、今年度新たに赴任された19名の先生方(うち10名は再任)のご紹介をしました。代表として掛田教頭先生からごあいさつを頂きました。新しい先生方の顔や名前を早く覚えて、一緒に楽しく充実した学校生活を送ってくれることを期待しています。
続いて、1学期の始業式を行いました。児童生徒の皆さんに、お話した内容を掲載します。
「今日から新学期です。学年が一つ上がりましたね。今朝は、期待と不安な気持ちで登校してきた人がいるかもしれませんが、心配はいりません。先生たちも同じです。
今年一年の目標を決めてきた人はいますか。手を挙げなくても、校長先生に向かって目で合図してください。はい、分かりました、半分の人は決まっていますが、後の半分の人はまだのようですね。今日、この後、学部長や新しい担任の先生からのお話を聞いたら、きっと頭の中に浮かんでくると思います。
ところで、校長先生の今年の目標は何か知っていますか。ヒントは、昨年度の3学期の始業式で、新年の誓いとして書き初めしたものをみんなの前で発表しました。覚えていますか。忘れた人は校長室に見に来てください。毎日見えるように壁に貼っていますから。校長先生は、今年の12月までに目標を達成しようと、今少しずつ努力をしています。みなさんも、今現在取り組んでいることがあればそれを続けていき、なければ何か新しいことに挑戦してみてください。
話は変わりますが、私は花が大好きです。この花は何の花か分かりますか。ツツジやサツキといった花にとてもよく似ていますが、実は『シャクナゲ』という花の花弁です。一つ一つの花弁も小さな花に見えて可愛いけれど、いくつもの花弁が集まると豪華な感じがしますね。もう、散ってしまいましたが、桜の花も同じですね。
実は、学校も一緒で、みなさん一人一人も毎日勉強やスポーツなどに頑張っていますが、学級やクラス、あるいは学部や学校全体で力を合わせると、一人ではできない凄いことができます。
新型コロナウイルスの影響で、今年も行事を工夫して行うことになると思いますが、自分でできることを増やすとともに、仲間と協力するということを、学校全体の目標にしたいと思っています。
それでは、今年一年、コロナに負けず頑張りましょう。
これで、校長先生からのお話を終わります。」
令和3年度がスタートしました(*^o^*)
校長2年目となりました,森本です。今年度も,昨年度同様によろしくお願いいたします。
さて,4月1日は春の陽気の中,満開の桜を車中から鑑賞しながら新たな気持ちで職場に向かった先生方も多いと思います。
昨年度から全世界を圧巻している新型コロナウイルス感染症については,残念ながら収束するどころか,全国的に第4波が来たと言われるほど感染者が急増しており,緊急事態宣言は解除されましたが,新たに大阪府等に「まん延防止等重点措置」(まん防)が,本日から5月5日までの1か月間,適用される事態となっています。
本県においても連日感染者が出ており,まだまだ油断のできない状況です。従って,新学期が始まっても感染症対策は継続していきます。
つきましては,保護者の皆様におかれましては,昨年度と同様,ご家庭でも感染症対策とともにお子様の体調管理をよろしくお願いします。
4月8日(木)には,新規赴任者の着任式,1学期の始業式,入学式を行いますが,3密を避けるために,在校生は各学部のホールから,自宅訪問生は自宅から,県外のPTA会長様も自宅からリモート参加となります。
また,高等部へ入学する病棟訪問生は,徳島病院様のご協力で,病棟のベッドの上からリモート参加して保護者様と一緒に入学式に参加できることになりました。
本当にありがとうございます♡
新学期,コロナに負けず,新しいことにどんどんチャレンジしていきましょう
令和2年度卒業式
本日、春の陽気が感じられる暖かな日差しの中、徳島県立鴨島支援学校 第47回卒業証書授与式が挙行されました。
小学部3名、中学部1名の計4名は、それぞれの学部を卒業して、4月からは次の学部に入学する予定です。高等部は4名が本校を卒業しました。進路先は一人一人異なりますが、本校で学んだ事を力にして、新しい場所でも頑張って欲しいと思います。
保護者の皆様には、お忙しい中ご出席いただき、本当にありがとうございました。
教職員一同、心を込めて卒業生を送り出すことができました。
ここに、校長の式辞を掲載します。
校長となり初めての式辞ですが、卒業生一人一人の顔を思い出しながら考えました。
式 辞
厳しい冬の寒さに耐えながらも、校舎へと続く木々の枝先には、桜の蕾がほころび始めています。三寒四温の言葉どおり、時折吹く暖かい風に、春の訪れを感じる季節となりました。
今日のこの佳き日に、徳島病院 西野院長様、宮崎小児科医長様のご臨席を賜り、また保護者やご家族の皆様方のご出席をいただき、徳島県立鴨島支援学校 第四十七回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員・在校生にとりましてもこの上ない喜びであり、厚くお礼を申し上げます。
ただいま、小学部三名、中学部一名、高等部四名の皆さんに卒業証書を授与いたしました。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 先ほど、授与いたしました卒業証書は、皆さんがこれまで日々努力してきた結果であり、成長の証でもあります。
「卒業」という言葉には、大きな喜びとともに少しの寂しさを感じます。皆さんが本校で過ごした期間に長短はありますが、それぞれの学部でたくさんの学びを経験した皆さんは、入学した頃とは比べものにならないほど、心も体も成長しています。それぞれの学部で最高学年として、毎日の学習以外にも生徒会活動や学校行事に、一生懸命取り組んだ成果は、確実に皆さんの力となって、次のステージでの活躍に繋がっていくことでしょう。
今年度は、四月七日に休校の延長が決まり、五月末に学校が再会した後も、コロナ禍の中で様々な行事が中止になったり、規模を縮小したりして実施することになりました。皆さんの活躍の場が奪われたことは、本当に残念でした。しかしながら、皆さんは手洗いや消毒などの感染症対策をしながらも、自分たちの目標に向かって一歩一歩確実に歩んできました。
そして、高等部では希望する進路を実現するために、一年生の時から施設見学や就業体験に取り組んできました。知らない場所で知らない人と一緒に過ごしたり 仕事をしたりすることは、本当に緊張します。でも、最後まで自分を信じ、周りの方々の助言を素直に受け入れ、粘り強く努力することで、進路を決定することができました。
皆さんの、何事にも全力で取り組む姿は、私たち教職員にとりましても、誇りであり、エネルギーの源でした。私は、皆さんと出会ったことに感謝しています。皆さんと出会い、ともに学び、皆さんの大事な成長を側で見届けることができて、本当に幸せでした。
保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。今日まで、大切に育ててこられた日々を思い起こされ、万感胸にせまるものがあることと想います。
卒業生一人一人も、保護者の皆様の深い愛情と支援があってこそ、 今日の日を迎えられたと、感謝の気持ちで一杯だと思います。入学以来、本校教育に対しまして深いご理解と温かいご協力を賜り、本当にありがとうございました。今後とも、変わらぬご支援をお願い申し上げます。
最後になりましたが、卒業生の皆さん。小・中学部では、各学部の最高学年として、高等部では本校の最終学年として、在校生のお手本となり、リーダーシップを発揮してくれました。その姿は、在校生や私たち教職員の心の中に、ずっとずっと輝いています。
本校の卒業生であることに誇りをもって、これから始まる新しい生活でも、本校の校訓である 「強く 明るく 豊かに」 を思い出して、たくさんの人と出会い、泣き笑い、豊かな人生を送って欲しいと思います。
『 ここにいるから出会えた仲間 ほほえみが 幸せを 連れてくる
一人一人が輝いて 自分の花を咲かせよう 共に歩み 共に進もう 未来へ飛びだそう 』
今年度、皆で作った学校のオリジナルテーマソングです。
皆さんのこれから進む未来が、健やかで幸多きことを心からお祈りして、式辞といたします。
令和三年三月十日
徳島県立鴨島支援学校 校長 森本 真由美
「かも先生チャレンジ動画」完成
学校祭の演示と演示の間、換気の時間に本校公式マスコットキャラクターの「かも先生」によるチャレンジ動画を上映します。
今日は予行演習でしたが、初めて動画を見て、その愛らしさに頬が緩みっぱなしでした。
HPにも、「かも先生日記」のコーナーで静止画を毎週掲載していますが、巨体を思いっきり動かしながら、学校でできる様々なことにチャレンジしている姿は本当に可愛くて、もっとたくさんの人に見てもらいたいなと思いました。コロナ禍で、校外に出て広報できないのがとっても残念です(ToT)
「トランポリン跳んでみた」
「空き缶つぶし」
「阿波おどり踊ってみた」
「太鼓の達人」
そのうち,HP上でも見られるようにしたいと思います。
学校祭予行
今年の学校祭は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、日程をはじめ様々な変更がありました。
当初は11月28日(土)開催予定でしたが、インフルエンザの心配もあり、10月31日(土)へ約1か月早く前倒しするとともに、「3密」回避のために当日参加していただくのは保護者や家族の方に限定して、作品展と演示のみの午前中開催としています。
本番5日前の今日は、予行演習でした。
演示を通しで見るのは今日が初めてでした。当日のお楽しみのために詳しい内容は言えませんが、各学部ともに短期間の間に授業を中心に練習や準備を重ねてきたことがよく分かる、素晴らしい内容でした(^_^)
これまでにも、当日、舞台に立つことができなくても、タブレット端末等のICT機器を活用して一つの作品の中で共演することは可能でした。
しかし、Society5.0時代の到来とともに、今のWITHコロナに合わせた「新しい生活様式」として「オンライン」や「リモート」といった新しいコミュニケーション手段を取り入れることで、双方向的なやりとりが可能となり、さらに臨場感あふれる作品になっていました。
これだけでは、何のことか?でしょうが、今回は各学部の演示のテーマだけ紹介しますので、ぜひ想像を膨らませてみてくださいね。
小学部 :「世界に一つだけの花」
中・高等部:「続ミッションinおへんろ 新しいおせったい様式や~♪」
小学部修学旅行~行ってきます~
今年の修学旅行は、新型コロナウイルス感染症の影響で、中学部は2年生のため来年に延期し、小学部は1泊2日のところを日帰りとしました。(高等部は隔年で実施のため、今年は元々予定なし)
行き先については、徳島県内も検討しましたが、7月~8月にかけて「徳島アラート」が発令されるほど県内において感染者数が急増したことにより、香川県も選択肢に入れました。そして、晴天なら「NEWレオマワールド」、雨天なら「四国水族館」に決めて、混雑を避けて金曜日から月曜日に変更しました。
先ほど、小学部が香川県の「NEWレオマワールド」に向けて出発しました。
今日は、あいにくの曇り空で、出発前には通り雨の洗礼を受けましたが、子どもたちが乗り込む前には雨も上がり、笑顔で出発することができました。
北西の空は明るく、爽やかな秋空になることを祈っています。
みんな、思いっきり楽しんできてね(*^o^*)
創立記念日
今日は、本校の創立記念日です。
今から63年前の昭和32年10月1日に、当時の鴨島町立飯尾敷地小学校と鴨島第一中学校の分教室(結核学級)が国立徳島療養所(現在の独立行政法人国立病院機構 徳島病院)の中に設置されました。
そして、昭和40年には「進行性筋萎縮症(進行性筋ジストロフィー)児学級」が設置され、昭和49年には、病院に隣接する場所に「徳島県立鴨島養護学校」が設立され、小学部と中学部が開設されました。翌年の昭和50年には高等部が開設されて今の校舎の原型が完成しました。
従って、学校は昭和49年に開設されたので、今年は創立47年めとなります。
開設当初は、小学部21名、中学部18名の計39名でスタートしました。翌年には高等部が加わり、62名に増えています。当時は、全員が「進行性筋萎縮症」等の筋疾患で国立徳島療養所に入院しており、県内出身者は14名で、他の児童生徒は四国3県や和歌山、大阪、兵庫県といった関西方面からも親元離れて来ていました。
そして時は流れ、障害児教育から特別支援教育へと転換するのに合わせて、平成19年度からは「病弱児」に加えて「肢体不自由児」も受け入れるようになりました。しかしながら、児童生徒数は年々減少し、近年では全校児童生徒数が20数名となっています。
ここで、本校の校訓である「強く 明るく 豊かに」について、昭和49年度の学校要覧に詳しく記載されていましたので、転記します。
「強 く」:病気、障がいより生ずる苦悩を克服するための強い心を育成する。
「明るく」:自主的な意欲を高め、楽しく、明るい人間を育成する。
「豊かに」:知識を深め、情操を体得し、豊かな人格を形成する。
これが、設立当初の校訓の目的でした。
今の時代、「苦悩を克服」という表現はあまり使われないかと思いますが、当時の児童生徒の想いを詩にまとめた「ひやまじ」という詩集を読みますと、初代校長先生の想いを込めた校訓の意味がよく分かります。
編集後記には、「・・・難病と闘いつつ真剣に人生を生き抜いている児童生徒のつぶやきや叫び声に耳を傾けて・・・」とありました。
「ひやまじ」には、分教室や学校が開設されるまでは、病気への不安と闘いながら一日中ベッドの上で過ごしていた彼らの魂の叫び声が綴られていました。昭和52年に発行された「ひやまじ 第1集」を読むと、私は今でも胸が締め付けられます。
創立記念日にあたり、設立当時のことを想像しながら、今の鴨島支援学校に求められていること、我々教職員にできること等を自問自答しています。
「ひやまじ」は、昭和52年から毎年発行され、今年で第43集となります。「ひやまじ」の由来は、病院や学校の南側に連なる山「樋山地」からとったものであり、四季を通じて太陽の恵みを受けている山路の麓にある本校も、いつも「陽のあたる場所でありたい」と祈りつつ命名されました。現在は文集として児童生徒全員の日頃のつぶやきや日記、感想文、写真、作品等が自由な形で掲載されています。